――調停を8年間経験してわかった、経験者にしか分からないリアル――
はじめに
別居を考え始めたとき、
「一刻も早くここから離れたい」と思う人もいるかもしれません。
でも、私の場合は違いました。
「本当に出ていっていいんだろうか」
「子どもたちの学校はどうなる?」
「転校させてしまうことになるかもしれない」
「これまで積み上げてきた夫婦関係を、
私が終わらせてしまっていいのだろうか」
そんな迷いが、頭の中を何度も何度も行き来していました。
別居は、逃げる決断ではありません。
多くの場合、悩み抜いた末の選択です。
だからこそ、
感情だけで動くのではなく、
「準備」が、後からあなたを守ってくれます。
私は調停を8年間経験してきました。
今日はその中で、
「これをやっておいて本当によかった」 と心から思う準備について、
経験者の立場からお話しします。
① 事実を「感情抜き」で記録すること
これは、何よりも大切です。
・相手の言動
・不機嫌になったきっかけ
・無視やため息、威圧
・話し合いが成立しなかった事実
・子どもへの関わり方
ここで大事なのは、
つらさを書くことではなく、事実を書くこと。
「ひどかった」「苦しかった」ではなく、
「いつ・どこで・何があったか」を淡々と残す。
メモ帳でも、スマホでも、ノートでもいい。
完璧じゃなくていい。
一行でもいい。
調停では、
感情よりも「継続性」と「具体性」が見られます。
後から思い出そうとしても、
日常の出来事は驚くほど思い出せません。
だから、今日からで大丈夫です。
② お金の流れを把握しておくこと
別居後、必ず直面するのが「お金」です。
・生活費は誰が管理しているか
・口座はどこにあるか
・収入と支出のバランス
・子どもにかかっている費用
これらを把握していないと、
調停で話が噛み合わなくなります。
残念だけれど、
「知らなかった」「任せていた」は、
調停では守ってもらえません。
すべてを揃えなくていい。
分かる範囲で、少しずつでいい。
自分の生活を、自分で把握する
それ自体が、別居後の土台になります。
③ 子どもの様子を、評価せずに見ておく
子どものことは、いちばん心が揺れるところですよね。
・元気がない
・表情が硬い
・イライラしている
・逆に、妙に大人びている
ここでも大切なのは、
「こうに違いない」と決めつけないこと。
気づいた事実を、そのまま残す
それで十分です。
調停では、
「親が子どもをどう見てきたか」
「子どもの生活をどう守ろうとしているか」
が、とても重視されます。
あなたが日々、子どもを見てきたことは、
必ず伝わります。
④ 「今すぐ別居しなくていい」と自分に言ってあげる
準備の話をすると、
「早く動かなきゃ」と自分を追い込んでしまう人がいます。
でも、Quiet Step でははっきり言いたい。
準備は、今すぐ別居するためのものではありません。
選択肢を持つためのものです。
今日準備して、
来月別居する人もいれば、
半年後、一年後の人もいます。
どのタイミングも、間違いではありません。
準備をすることで、
「逃げる」ではなく
「選ぶ」立場に立てるようになります。
経験者として、どうしても伝えたいこと
調停を長く経験してきて、
何度も思いました。
「別居前に相談してくれていたら、
もっと楽に進められたのに」
別居前にできることは、
本当にたくさんあります。
でも、それは
弁護士も、制度も、
細かくは教えてくれないことが多い。
だからこそ、
経験者が語る場所が必要だと思いました。
おわりに
もし今、
別居するかどうかで悩んでいるなら。
今すぐ答えを出さなくていい。
でも、今日できる準備はある。
Quiet Step は、
あなたが一人で抱え込まないための場所です。
次の記事では、
もう少し具体的な「調停のリアル」についても書いていきますね。


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